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サブクレードKって何?2025年冬の“新しいインフルエンザ株”の登場

[2025.12.01]

今年の冬、例年より早くインフルエンザの患者さんが増えており、その原因として注目されているのが「サブクレードK」です。これは、H3N2型インフルエンザウイルス(よく「A香港型」とも呼ばれる型)の中で、最近になって「別の“枝(subclade/サブクレード)”」として分類された新しい変異株です。

つまり「H3N2という大きな家族⇒その中の最近分かれたグループ」というイメージで、ウイルスの遺伝子が少しずつ変化(=変異)したことで、このように分けられています。

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サブクレードKの特徴: なぜ “普通のインフル” と違うの?

この変異株が注目されている理由は、大きく以下のような点です👇

  • 流行の始まりが例年より早く
    ヨーロッパではすでに例年より1か月以上早く流行が始まり、北半球全体に広がっています。日本でも患者数の急増や、定点医療機関での報告上昇が見られています。

  • 感染しやすさの可能性
    サブクレードKは、ウイルス表面のたんぱく質(ヘマグルチニン:H)で複数の変異を持つとされ、従来株やワクチン株とは“見た目(抗原性)”が違う可能性があります。これにより、過去にインフルエンザ経験やワクチン接種で免疫があっても、ウイルスが認識されにくく、感染しやすくなる懸念があります。

  • 症状は概ね従来と同じ
    熱・咳・のどの痛み・倦怠感など、典型的なインフルエンザ症状が中心ですが、一部では「咳やのどの痛みが強め」「だるさが強く感じる」という声も。

  • 重症化リスクは“特別に高い”わけではないが慎重に
    現時点では「サブクレードKだから重症化が必ず増える」というデータは明確ではありません。ですが、もともとH3N2型は、子ども・高齢者・持病のある方で重症化しやすいため、注意は必要です。

ワクチンは効くの?──多少の「ズレ」はあるが効果あり

ここ数年、インフルエンザワクチンは「今年はこの株が流行しそう」という予測をもとに作られています。ただし、サブクレードKは ワクチン選定後に広がり始めた変異株 であるため、現行のワクチン株とは“抗原性”が完全に一致しない可能性があります。言い換えると、ワクチンとウイルスの“ズレ”が起きている可能性が高いのです。

このため、2025–26年シーズンのワクチンの 発症予防効果は例年より多少低め と考えられています。

しかし、 「ワクチンは重症化を防ぐ」という意味では依然として重要 です。専門家も「たとえ株が合わなくても、ワクチンは最善の防御手段」と強調しています。

また、たとえこのサブクレードKで発症しても、ワクチン接種者は「高熱・肺炎・入院などの重症化」が起きにくい、という報告もあります。

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今年(2025–26シーズン)に私たちができる予防 — ワクチン+生活習慣

サブクレードK流行の中でも、できる対策は「基本に忠実」なことが効果的です。以下を心がけましょう👇

  • 💉 インフルエンザワクチンの接種(まだの方はなるべく早めに)
    → 完璧ではないけど、重症化リスクを下げる効果があります。特に子ども・高齢者・持病のある方はぜひ。

  • 🧼 手洗い、うがい、換気など — ウイルスを体に取り込まない努力を日常的に

  • 😴 十分な休養・栄養・睡眠 — 免疫力を落とさないことが大切

  • 😷 人混み・屋内ではマスクをうまく使う — 飛沫対策に有効

  • 🤒 体調に異変があれば無理せず休む/早めに受診 — 抗インフル薬は「発症から48時間以内」が効果的

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まとめ:「不安」ではなく「備え」を — ワクチン+予防行動で安心の冬を

「サブクレードK」は、確かに“これまでとは少し違う”インフルエンザウイルスです。ただ、「変異がある」からといって不安になりすぎる必要はありません。今持っている知識と手段を正しく使えば、自分・家族・地域を守ることができます。

● ワクチンは「万能」ではないが、「重症化予防」の強い味方。
● 手洗いやマスク、生活習慣で「かからないようにする」努力は効果的。
● 特に子ども、高齢者、持病のある方は「早めのワクチン接種+予防行動」が重要。

2025–26年の冬は例年以上に注意が必要な年。皆さまが安心して過ごせるよう、当院でも最新情報をお伝えしていきます。どうぞお気軽にご相談ください。

 

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