睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時に咽頭が虚脱することで無呼吸となり、睡眠時の無呼吸を繰り返すことで様々な症状や疾患を引き起こす病気です。
罹患率としては50歳代の男性で10〜20% 女性では10%程度です。
無呼吸低呼吸指数(AHI)とは?
睡眠時間1時間あたりの無呼吸・低呼吸回数をいいます。
5≦AHI<15は軽症、15≦AHI<30は中等症
AHI≧30は重症とされています。
睡眠時無呼吸症候群の原因は?
最大の危険因子は肥満とされています。
10%の体重の増加は、中等度(AHI≧15)を発症するリスクが6倍と言われています。
その他にも上顎や下顎の大きさや位置、鼻腔の狭さや扁桃の肥大などが発症率に影響します。また、アジア人に特徴的な下顎の後退の影響も指摘されています。
睡眠時無呼吸症候群の症状は?
- いびき
- 過度の眠気
- 睡眠中の窒息感やあえぎ呼吸
睡眠時無呼吸症候群の合併症は?
高血圧
睡眠時無呼吸症候群の50%の人が高血圧を合併していると言われています。
糖尿病
睡眠時無呼吸症候群と糖尿病は深い関連があるといわれており、糖尿病のリスクが2倍になると報告されています。低酸素状態が長く持続することでインスリンの働きが悪くなり、結果として糖尿病が発症しやすくなります。
心筋梗塞、心不全、狭心症など
睡眠中の無呼吸は心臓に大きな負担を与えるため、心血管イベントを起こしやすくさせてしまいます。
脳卒中
睡眠時無呼吸症候群の患者は脳卒中の発症リスクが3倍といわれています。
睡眠時無呼吸症候群の診断方法は?
診断はいずれも自宅で行うことが可能です。
初回は簡易検査で行います。簡易検査とは携帯型の装置を装着して行う検査です。睡眠中の心拍数や酸素飽和度(SP02)を測定して診断します。簡易検査で無呼吸低呼吸指数(AHI)が40回以上の場合はその時点で確定診断となり、治療開始となります。
40回に満たない場合でも睡眠ポリグラフ検査という精密検査により、AHIが20回以上を認めた場合は確定診断となります。睡眠ポリグラフ検査も自宅で実施可能です。
睡眠時無呼吸症候群の治療方法は?
CPAP療法(持続的気道陽圧法)
睡眠時無呼吸症候群の治療の基本となります。
寝る前に鼻にマスクを装着し、気道内に一定の圧力をかけることで無呼吸を抑制する方法です。CPAP療法の継続により、動脈硬化による心筋梗塞や脳卒中のリスクを軽減し、予後を改善する効果が得られます。
生活習慣の改善
日々の過食や喫煙、アルコール摂取を控えることで肥満を改善し、睡眠時無呼吸症候群の進行を抑制することは可能です。ただし、生活習慣の改善だけでは睡眠時無呼吸は治癒することはなく、やはりCPAP療法の継続が基本となります。
当院の睡眠時無呼吸検査の診断方法について
当院では睡眠評価装置『パルスリープ』を導入し、簡易検査が可能です。
簡易検査とは睡眠時に腕に装置を取り付けることで睡眠時無呼吸の測定が可能な検査です。
睡眠時に装着するもの
- 睡眠評価装置(手首に装着)
- 酸素飽和度測定機器(指先に装着)
- 呼吸を検知するためのカニューレ(鼻の下に装着)
基本は1日の測定ですが、睡眠時間により2日間の測定が必要になる場合があります。
装着した機器はすべてクリニックへ返却して頂き、結果はその日に確認が可能です。
こちらの検査は予約が必要ですので、詳しくは047‐300₋7711まで連絡して頂きますようお願いします。