尿路感染症
おしっこの通り道(尿路)に、大腸菌などの細菌が侵入してきて起こる感染症です。
膀胱炎の場合は排尿時痛や頻尿がみられ、腎盂腎炎まで進行した場合は高熱や不機嫌などの症状がみられます。
小さなお子さんの場合は症状がはっきりしないことが多く、診断が難しい病気です。
診断には尿検査が必要です。
🔍 原因とリスク要因
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主に大腸菌などの腸内細菌が尿道から侵入し、膀胱や腎臓に感染を引き起こします。
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女児は尿道が短いため、男児より感染しやすい傾向があります。
⚠️ 主な症状
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乳幼児: 発熱、哺乳不良、体重減少など、非特異的な症状が現れることがあります。
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年長児: 頻尿、排尿時の痛み、腹痛、発熱などが見られます。
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腎盂腎炎: 高熱、側腹部痛、悪心、倦怠感などの症状がでます
🧪 診断方法
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尿検査: 尿中の白血球や細菌の有無を確認します。
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尿培養検査: 原因菌を特定し、適切な抗菌薬を選択するために行います。
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画像診断: 腎臓や尿路の構造的異常を調べるため、超音波検査をする場合があります。
💊 治療法
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抗菌薬療法:
膀胱炎では、経口抗菌薬を3~5日間服用します。腎盂腎炎(上部尿路感染症)や重症例では、入院の上、点滴による抗菌薬投与が必要です。
🛡️ 予防と再発防止
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水分摂取: 十分な水分を摂り、頻繁に排尿することで、尿路内の細菌を洗い流す効果があります。
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排尿習慣の改善: 尿意を我慢しないことが大事です。女の子は前から後ろへの拭き方が細菌感染の原因となりることがあり注意が必要です。
子どもの尿路感染症は、適切な診断と治療により予後は良好ですが、放置すると腎機能障害などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。発熱や排尿時の異常を感じた場合は、早めに医療機関を受診し、専門医の指導のもとで治療を進めることが大切です。