糖尿病
糖尿病とは
空腹時の血糖値は70〜100mg/dlが正常と言われています。この血糖値が常に正常値を超えて高い数値を持続している状態が糖尿病です。その原因は膵臓から分泌されるホルモンである「インスリン」が足りなくなることから起こります。
インスリンには血液中の糖分を利用して身体が必要とするエネルギーや蛋白質を合成する作用があります。このインスリンが少なくなることで血液中の糖分が利用されなくなり、血糖値が増えていくのです。
糖尿病の原因
①生活習慣病
過食(特に高脂肪食)・運動不足・肥満・ストレスなどの環境因子及び加齢が主な原因です。
遺伝因子が原因となることも有り、その場合は血縁者にも糖尿病を認めます。
②病気や他の原因に関連する糖尿病
他の病気が血糖値を上げてしまう二次性糖尿病もあります。
二次性糖尿病の原因としては
- 慢性膵炎、膵臓の悪性腫瘍
- 慢性肝炎、肝硬変などの肝疾患
- 甲状腺機能低下症
- ステロイド治療薬の服用
などがあります。
糖尿病を放置したらどうなる?
糖尿病は初期こそ無症状で経過しますが、そのまま長い間放置すると色々な合併症を全身に引き起こします。代表的なものは以下の4つです。
①糖尿病性網膜症
進行すると眼の中の出血や網膜剥離を引き起こし、視力がかなり悪くなります。更に進行し緑内障を合併した場合は失明することもあります。
②腎不全
高血糖は徐々に腎臓の細かい血管に障害を引き起こします。最終的には腎臓がおしっこを作れなくなる位に悪くなり、そのまま放置してしまうと人工透析が必要となります。人工透析とは、腎臓の代わりをしてくれる機械を定期的に使い、血液中の不純物を取り除く処置のことをいいます。末期の腎不全となり、人工透析が必要となってしまった腎臓の機能は残念ながら戻ることはありません。
③神経障害
両足の感覚障害(しびれ、痛み、知覚低下)を引き起こします。
自律神経にも影響を及ぼすと
- めまいや立ち眩み
- 嘔気や便秘、下痢などの胃腸症状
- 頻尿や膀胱炎などの膀胱機能低下
- 勃起障害
など、様々な症状の原因となります。
④動脈硬化性疾患
糖尿病は動脈硬化の原因のひとつです。
動脈硬化が原因となる疾患は
- 高血圧
- 心筋梗塞などの虚血性心疾患
- 脳梗塞などの脳血管疾患
などがあります。
糖尿病を心配されている方へ
糖尿病は自覚症状に乏しく、本人が効かつかないうちに病気が進行してしまっているケースが多く見られます。
糖尿病は早期発見・早期予防が可能な病気です。
心配事がありましたら是非受診して頂きますようお願いします。